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2008年12月12日掲載

第31回 BMLの仕様から見るデータ放送の今後<その2>
    いまさら聞けないBMLの基礎知識 〜放送独自の機能〜

執筆:クワトロメディア株式会社 長谷川修平
執筆者プロフィール

前回は、「BML言語の復習」として言語の概要を説明しましたが、今回は、BML言語が持つ“放送特有の機能”の内、「通信との連携」を可能にする機能を紹介します。 第一回の冒頭で書いた「データ放送の今後」までは、もう少し回り道をしますので、お付き合いください。

初めに紹介するのは、表形式のデータをバイナリー表現した「バイナリーテーブル」です。「通信との連携」には直接関係しないのですが、ワンセグ放送のBMLが外部のデータソースとして扱える唯一の形式であり、コンテンツ制作において頻繁に使用される機能ですので、あわせて説明します。

一般的に情報の更新が発生するBML文書は、テンプレート化され、同じバイナリーテーブルを参照するような仕組みに設計されます。そして、情報の更新はこのバイナリーテーブルに対して行われます。先にも述べたようにバイナリーテーブルは表形式のデータで、CSVファイルからコンバートするようなツールも存在し、運用の効率化が図れるのです。

2つ目の機能は、「放送用拡張関数」という関数群です。ブラウザ擬似オブジェクトとも呼ばれる拡張関数が多数定義されています。値を一時的に保存できる受信機のメモリ領域を操作する機能や、番組の経過時間を取得する機能など、放送特有の機能がいくつもあり、このうち通信との連携を図る上で重要な機能が、テキストデータをTCP/IPを用いて双方向通信を提供する機能です。例えば、番組内のアンケート企画で、データ放送画面から回答を受け付けるといったことが実現するのです。イメージとしては、まずデータ放送画面に表示された選択肢からユーザーが任意のものを選び、その後、「送信する」などと書かれたリンクを押下してもらい、アンケートの回答をWEBサーバーにテキストデータとして送信します。テキストデータを受信したWEBサーバーは当該データをデータベースに書き込むなどして、すべてのユーザーの回答を集計します。集計結果は先に説明したバイナリーテーブルを用いて一定時間毎に更新して放送波で配信すれば、リアルタイムに集計結果が表示されるアンケートシステムが実現します。この双方向通信機能を用いたシステムの利点は、映像・音声の視聴を止めることなく通信が行えるため、視聴者が番組を見ながら気軽に参加できるという点です。

図1.双方向通信機能によるアンケートシステム

 

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(コラム記事/クワトロ・メディア 株式会社 長谷川修平)

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