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VIDEO-ITを取り巻く市場と技術

2008年12月5日掲載

第30回 BMLの仕様から見るデータ放送の今後<その1>
いまさら聞けないBMLの基礎知識 〜言語の概要〜

執筆:クワトロメディア株式会社 長谷川修平
執筆者プロフィール

国内のデジタル放送ではデータ放送が提供されていることは既にご存じかと思います。
これまでに、様々なコンテンツやサービスがデータ放送上で提供されており、放送局においても新たな試みが幾度となく試されて来ました。放送を取り巻く環境が大きく変わるなかで、データ放送はどうなって行くのでしょうか?ここではワンセグ放送にスポットを当てて、データ放送コンテンツを記述するBML言語の仕様を軸に、今後の可能性について考えてみたいと思います。

■BML言語とは
まず始めにデータ放送を記述するBML言語について説明いたします。
そもそも、BML(Broadcast Markup Language)とは、デジタル放送におけるデータ放送用に定義された、XMLベースのページ記述言語です。
これを利用することで、従来の映像・音声のみによる放送に、下記のような機能を追加することができます。

  1. 画面(データ放送領域)上への文字や画像の表示
  2. ボタンやテキストボックスの様なユーザーインターフェイスの提供
  3. 番組の進行に合わせてコンテンツを切り替えるといった時間制御
  4. 双方向通信の提供
  5. インターネットとの連携

BML言語を活用することの最大の利点は、「放送にインターネットの双方向性を持ちこむことが出来る」という点です。

では、もう少し掘り下げて、ワンセグ放送に用いられるCプロファイルと呼ばれるBMLを例に、その仕様を見てみましょう。

CプロファイルのBML(以下BML)は、BML要素、CSS、スクリプト記述言語組み込みオブジェクト、DOM、といった要素で構成されます。
BML要素とは、W3Cによって定義されたXHTML1.0をベースにしたマークアップ言語のことを指し、このBML要素を用いて構造化することで、BMLブラウザが解釈できる形に文書を形成することができます。

 しかし構造化しただけではBMLブラウザでコンテンツとして表示されることはありません。
BMLブラウザは、PC向けのWEBブラウザとは異なり、データ放送の場合受信機の性能が制限されることや、映像や音声を提示しつつ同時にBML文書を読み込んで画面へと表示するといった重たい処理を行うため、画像の大きさや位置といった視覚的な情報をCSS(カスケーディング・スタイル・シート)で指定する必要があるのです。

 更に動きのあるコンテンツを制作する場合は、スクリプト記述言語を用いて様々な動作を記述する必要があります。ECMA-262で定義されたECMAScriptをベースにしたスクリプト記述言語には、文字列、配列、日付などのオブジェクトとそれぞれのメソッドが用意されており、それらを組み合わせることで効率的にプログラミングが可能です。
また、プロトタイプ型のオブジェクト指向言語ですので、Javascriptを知っている技術者なら簡単に理解することが出来ます(感覚的にはJavascriptの機能を制限したようなイメージ)。

 スクリプトからはDOM(ドキュメント・オブジェクト・モデル)インターフェイスを介して、BML文書内の要素や属性にアクセスし、番組の進行や視聴者の操作によって、画面をダイナミックに変化させることができます。
具体的には、野球中継用のBML文書で、ストライクカウントの表示をピッチャーの投球に応じて書き換えるといったことが実現可能です。

 また、コンテンツを制作する際、画像などを使用することで見栄えの良い画面を構成することが一般的です。

ワンセグ放送のBMLで扱うことのできるファイル種(BMLではモノメディアといいます)は、動画:H.264、MPGE-4 AVC、静止画:JPEG、図形:GIF、aGIF、文字:Shift_JIS、音声:AAC-LC、AIFF-C、受信機内蔵音となっており、これらのモノメディアを組み合わせることで(一部ファイルの使用に制限あり)、提供するサービスに応じた多様なコンテンツが制作出来ます。

図1.コンテンツの概要


このように、BMLはW3CやECMA-262の定義をベースにしているため、基礎的な部分はWEBページにおけるプログラミングと共通点が多く、親和性が高いという利点があります。
ですが、BMLとは単に文字列や画像を表示するためだけのモノではなく、放送用に再定義されたとも言える言語ですので、放送に特化した独自の機能を数多く有しています。

次回はその“放送特有の機能”の内、「通信との連携」を考慮したものをいくつか紹介します。

BMLについてさらに詳しく知りたいと思って頂けた方は、下記のページで「BMLスクール」の開催をご案内していますので、是非ご覧下さい!(2008年12月現在)

http://www.qmedia.co.jp/bml/index.html


(コラム記事/クワトロ・メディア 株式会社 長谷川修平)

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