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VIDEO-ITを取り巻く市場と技術

2007年9月20日掲載

第10回 IBE MPEG Playerとは

IBE MPEG PlayerはMPEG エンコーダで生成されたMPEG-1/-2/-4ファイルをフレーム精度で再生できるソフトウェアMPEGプレーヤである。今回は、IBE MPEG Playerについて、用途など盛り込み紹介する。

IBE MPEG PlayerはMPEG-1/-2/-4ファイルをフレーム精度で再生でき、コマ送り、コマ戻しはもちろんのこと、可変速再生も可能である。また、外部ソフトウェアから制御可能な簡便なインタフェースも用意しており、プレーヤ単体での使用のほか、システムの一部として連携が可能となっている。一般にLong GOPと呼ばれる通常のMPEG-2ファイルやMPEG-4ファイルでは、フレーム単位での制御が難しい。IBE MPEG Playerでは、こういったファイル構造の課題を意識しないで済むように工夫している。

MPEGファイルの再生は、Windows Media Player(※注1)をはじめ、世の中に数多く出回っているフリーのデジタル映像再生アプリケーションソフトで可能となっている。これらのアプリケーションとIBE MPEG Playerとの大きな差は、再生するMPEGファイルを秒間29.97枚の絵からなるフレーム精度で再生が可能なところにある。この機能により、映像をフレーム単位で制御をしなくてはならない、放送局の業務や映像製作会社などの業務に使用できるプレーヤーとなっている。
特筆すべき点はトリックプレイ時のオーディオ出力が可能ということである。音を確認しながら、コマ送り、コマ戻し、可変速再生が可能なのである。もう一つのIBE MPEG Playerの特徴として、USB接続型のジョグシャトルコントローラで制御できることが挙げられる。従来業務用VTRで作業をしていた感覚に近い形で導入することができる。
(※注1)別途再生用のコーデックが必要

例えば、テレビ局における映像考査では、IBE MPEG Playerのような、フレーム単位で再生できるプレーヤーが必要不可欠になっている。これは、映像の中に不適切な絵(例えばサブリミナル的表現手法など)が入っていないかどうか、または著作権、肖像権などの権利に抵触している映像が入っていないか検査するためである。テープ素材であれば、業務用VTRの機能によりフレーム毎の再生は可能であるが、デジタル映像で可能にするためには、フレーム精度再生アプリケーションが必要になる。また、オフライン編集など、テープのタイムコードとファイルのタイムコードが完全に一致することが必要な用途でも、IBE MPEG Playerのようなフレーム精度で制御できるプレーヤーが必要だ。

MPEGファイルの持つ時間軸情報(タイムコード)とその他のデータのタイムコードを同期させるということも、IBE MPEG Playerなら可能である。例えば、医療機器の検査データ(心電図、脳波形など)のタイムコードと、映像のタイムコードを同期させて再生させることにより、異常が発生したときの映像を同時に確認するシステムの構築も可能になる。
同期のタイミングは1000ms÷29.97fps≒33msである。
これは、医療現場だけに限ったシステムではなく例えば、監視システムの映像データと映像以外のデータのタイムコードを同期させるということが可能になるということである。河川の水位データと映像、交通量データと映像、温度変化と映像、赤外線センサーのデータと映像などなど、応用範囲は多彩である。

IBE MPEG Playerは完成版のアプリケーションとSDK(Software Development Kit)の二つのラインナップからなる。SDKの利用により、既存のシステムにMPEG Playerを組み込むことや、独自のMPEG再生アプリケーションを開発することが可能である。SDKは、IBE MPEG Playerのエンジン部分をActiveXコンポーネント化したソフトウェア開発キットで、開発者はアプリケーションのユーザインタフェース部分を開発するだけでよく、フレーム精度で再生可能なプレイヤーアプリケーションを効率的に開発することが可能である。

IBE MPEG Player SDKを用い、二つのプレーヤーで同時に再生させるアプリケーションを開発した例がある。これは、工場の作業効率アップのために開発されたもので、効率の良い作業者と悪い作業者の映像を撮影し、具体的に何が悪いのかを映像を見ながら測定するアプリケーションである。インダストリアル・エンジニアリングにおける事例である。

ある大学では、動きを数値化する解析装置用の映像コンテンツ切り出しをするためにIBE Playerの技術を利用している。同じタイムコードを持つ4つの多角度から収録したMPEGファイルを、SDKを用い開発したアプリケーションに読み込ませる。指定した始点、終点で4ファイルを全て切り取り、大学の所有する解析装置にかけると言う流れである。4画面で全てのファイルを一度に表示させながら始点と終点を決めることが出来るので効率がとても良くなる。

このように、MPEGファイルをフレーム精度で制御できることは、いろいろな場面でデジタル映像を活用する上で威力を発揮する。

(コラム記事/ (株)アイ・ビー・イー 営業戦略室)

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