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VIDEO-ITを取り巻く市場と技術

2007年8月2日掲載

第6回 MPEG-2 PS概要 前編

MPEG-2 PS(プログラムストリーム)は、MPEG-2 TS(トランスポートストリーム)と同じく映像と音声の多重化方式を定義したものである。MPEG-2 TSと共に、ISO/IEC(IEC JTC1)とITU-Tの合同規格として、ISO/IECでは「13818-1:2000」、ITU-T勧告では「H.222.0」と番号付けされている。

ハードディスク録画やビデオCDに代表される蓄積ストレージ用途向けに、MPEG-1システムが開発された。MPEG-2 PSはMPEG-1システムとの互換性の確保を目的としてMPEG-2システムの一つの手法として定義された。MPEG-2 PSは、ハードディスクへの録画やDVDビデオで広く使われている。

■MPEG-1システムとMPEG-2 PSの違い

MPEG-1システムは、ISO/IEC 11172-1で定められた、蓄積メディア向けの多重化方式である。MPEG-2 PSの基礎となっており、MPEG-2 PSと同じく可変長の複数パケット(=MPEG-2におけるPESにあたる概念。詳しくは、MPEG-2 PS後半編 ■MPEG-2のパケット単位 - PES、を参照)をグループ化し、パックという構造を構成する。このとき、パックのサイズは蓄積メディアのセクタ長に最適化して決定されている。
MPEG-1ストリームとMPEG-2 PSは、共にパックヘッダで開始され、32ビットの終了コードで終端される。

ストリーム中の時間軸を刻む基準周波数
・MPEG-1 …90kHz
・MPEG-2 PS/TS …27MHz
 ※STC(System Time Clock)/SCR(System Clock Reference)/PCR(Program Clock Reference)のみ。
 なお、PTS(Presentation Time Stamp) / DTS(Decoding Time Stamp)は、MPEG-1と同じ、90kHzである。

パックヘッダ
・MPEG-1 …12バイト固定長 / 先頭から33〜34ビットのストリーム識別フラグは"00"、SCRは5バイト長
・MPEG-2 PS …可変長 / 先頭から33〜34ビットのストリーム識別フラグは"01"、SCRは6バイト長
 1バイトのスタッフィング長と、7バイトまでの可変長のスタッフィング・バイトが追加される

アプリケーション
・MPEG-1 …蓄積メディア向け(i.e. VideoCD)だが、ネットワークによる伝送も考慮
・MPEG-2 PS …蓄積メディア向け(i.e. DVDビデオ)

■パックヘッダおよびシステムヘッダ
MPEG-2 PSは、MPEG-1システムと同じパック構造を採用しており、パックヘッダおよび、システムヘッダから開始される。

パックは蓄積ストレージから一回に読み込む一単位(セクタ長)を想定したデータの単位で、2048バイトが良く使われる。

システムヘッダは、そのプログラムストリーム中に出現するビデオデータとオーディオデータについて記述されたヘッダである。システムストリームの最初のパックにのみ付加することを必須としており、通常、他のパックに付加する必要はないが、デコーダは、読み込んだシステムヘッダの情報を頼りにビデオとオーディオのデータの読み込みを開始しなければならないため、途中から再生するコンテンツ用途向けに、ストリーム中の他の複数パックに付加することも許されている。

なお、パックヘッダは、システムストリーム中の全てのパックに配置される。




※カッコ内の数字はビット数
図1.パック構造


MPEG-1システムとMPEG-2 PSの違いは、前述のとおりパックヘッダにあり、12バイト固定長であったものが、スタッフィングバイトの導入に伴い可変長に変更されている他、先頭から33〜34ビットが00から01に、SCRは27MHz化に伴い5バイト長から6バイト長へと変更されている。




※カッコ内の数字はビット数
図2.パックヘッダ構造

 




※カッコ内の数字はビット数
図3.システムヘッダ構造

 

(コラム記事/ (株)アイ・ビー・イー 開発部)

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